トイレは「飼い主がうまく教えられない」場合がほとんど

私は日中仕事のために出かけることが多いので、エリのトイレトレーニングにおいては、朝いちばんの排泄が、確実かつ非常に大事な学習のチャンスでした。

初日の朝、私が起きる気配を感じたのかエリも起きたようでした。私はパジャマのまま、何よりも先にまずエリをグレートから出して、トイレスペースに連れて行きます。中で排泄させてしまって、学習のチャンスを逃したくなかったからです。

わが家の犬用トイレは、ペットシーツを敷いた床の三方を囲ったスペース。エリは目が見えないため、ハウスから出たらすぐに鼻先におやつを近づけ、それを追わせるようにしてトイレのスペースに誘導します。シートの上に乗ったら、出られないようにもう1枚のワイヤーパネルで閉じました。

先輩犬たちのおしっこの臭いがついていることもあり、エリが膀胱にたまったおしっこを出してくれるのにそれほど時間はかかりませんでした。排泄が終わったら、「おりこう~」などと高めのトーンでよくほめて、できるだけ早くおやつを口の中に入れてやります。

食事を与えた後は、うんちのタイミングが来やすいので、今度はそこを見計らいます。

同じようにトイレに誘導し、排便したらよくほめておやつを口に入れてやります。その後は仕事へ出てしまうことが多いので、朝の排便は、私がエリにトイレを教える大事なチャンスということになります。

次の朝も同じように誘導し、成功させてよくほめ、できるだけ早くチーズなどの「ちょっといいもの」を口の中に入れてやりました。

その次の日も同じようにして、4日目の朝を迎えました。

グレートの扉を開けると、エリ自らトイレへ行こうとする様子が見られたので、「シーシー」と声だけかけて見守っていると、何と自分でトイレに入り、おしっこをしてくれたのです。トイレトレーニングを開始してから4日目で、学習が始まりました。

もちろん、4日目からずっと成功するわけではなく、たまに失敗しては、また上手にできたりといった一進一退を繰り返し、だんだん確実にできるようになっていきました。

かなり高い確率でトイレに行けるようになったころ、寒くなってきたこともあって、エリのグレートを寝室へ移しました。トイレまでの距離は今までの3倍ですが、数回おやつでトイレヘ誘導してやると、それからは自分で行けるようになりました。

そしてエリと付き合い始めてから5ヵ月ほど経ったある日(エリ生後9ヵ月)、知人宅へ連れて行くことになりました。さすがに心配だったのでマナーベルトを着けて、まず最初に、そこの家の犬用トイレヘ誘導して排泄を促しました。するとマナーベルトを着けたままでしたが、ほかの犬の臭いに刺激されたからか、割と素直におしっこをしてくれたので、よくほめておやつを与えました。

その後、エリが部屋の中をうろうろするたびにそっと見守っていましたが、今度は自らトイレに入っておしっこをしてくれたのです。このときもよくほめておやつを与え、すぐにベルトを取り換えてやりました。

それから1ヵ月後、今度は実家へ連れて行きました。初めて行く場所なので一応マナーベルトを持って行きましたが、自分の実家ですし、犬も飼っているので、最初は着けずにトイレに誘導してみました。すると実家の犬の臭いがついていることもあり、すぐにおしっこをしてくれたのです。ほめておやつを与えると、それからはちゃんと自分でトイレに行ってしてくれました。愛犬を信じることができなかった飼い主が持って行ったマナーベルトは、使われずに持ち帰られることとなったのです(笑)。

「愛犬がトイレをなかなか覚えてくれない」と悩む飼い主さんは多いです。しかしそれは、本当に「犬がなかなか覚えない」のでしょうか?「飼い主がうまく教えられない」場合がほとんどではないでしょうか。

うまく教えられないのには、「飼い主さんが排泄のタイミングを見ていられない」、「ほめるタイミングが悪い・遅い」、「おやつを与えるのが遅い」、「おやつの魅力が低い」などの原因が考えられると思います。仕事をしているから日中は見ていられない、というのは飼い主さん側の都合であり、それでトイレを覚えない犬のせいにすべきではありません。

朝の1回だけでもいいから、上手に誘導してうまくほめてあげられたら、エリのように目が見えなくても4日で覚えてくれることがあるほどです。

ご自分のトイレの教え方が、愛犬にとってわかりやすいのかどうか、ぜひ見直してみてください。